冬になるとニュースで耳にすることが増える 鳥インフルエンザ。
養鶏場での発生や、大量の鶏が処分されるといった報道を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
私自身、衛生管理や害虫・害獣対策の仕事に関わっていることもあり、
「このウイルスはどのように広がるのか?」という点が気になり、改めて調べてみました。
調べていくと、鳥インフルエンザは単に鳥の病気というだけではなく、
野鳥・人・小動物・昆虫など、さまざまな要因が関係して広がる感染症だということが分かります。
今回はその中でも、あまり知られていない
ネズミや害虫との関係についてまとめてみました。
鳥インフルエンザが広がる主なきっかけ
鳥インフルエンザのウイルスは、主に 野鳥(渡り鳥) が運んでくると考えられています。
渡り鳥は季節ごとに長距離を移動するため、海外からウイルスが持ち込まれる可能性があります。
その野鳥のフンなどに含まれるウイルスが、何らかの形で養鶏場の環境に入り込むことで、鶏への感染が起こるとされています。
ただし、野鳥が直接鶏舎に侵入するケースばかりではありません。
実際には
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人の靴や作業着
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車両のタイヤ
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器具や資材
などに付着した土やフンが、ウイルスを運ぶきっかけになることもあると考えられています。
ネズミや害虫が関係する可能性
ここで関係してくるのが、施設周辺に生息する小動物です。
養鶏場には飼料があるため、
ドブネズミ や クマネズミ が集まりやすい環境になります。
ネズミが野鳥のフンなどで汚染された場所を歩いたあとに鶏舎へ入り込むと、
足や体に付着した汚れが ウイルスを間接的に運ぶ可能性が指摘されています。
また昆虫では
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ハエ
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ゴキブリ
などが、汚染された環境と施設内を行き来することで、
病原体を機械的に運ぶ可能性があると考えられています。
もちろん、これらの生き物がウイルスを増殖させるわけではありません。
ただ、環境の中を動き回る生き物である以上、結果的に病原体の移動に関わる可能性があるという考え方です。
防疫対策は「持ち込まない」こと
そのため養鶏場では、鳥インフルエンザ対策として
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防鳥ネットなどによる野鳥対策
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ネズミ対策(防鼠)
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害虫対策
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出入り時の消毒
といった 複数の対策を組み合わせた防疫管理が行われています。
感染症対策というと消毒のイメージが強いですが、
実際には ウイルスを持ち込ませない環境づくりがとても重要になります。
ネズミや害虫の管理も、そうした衛生管理の一部として考えられているわけです。
まとめ
鳥インフルエンザは野鳥によって運ばれることが多い感染症ですが、
実際には人や車両、ネズミ、昆虫など、さまざまな要因が関係して広がる可能性があります。
今回調べてみて感じたのは、感染症対策というのは医療だけの話ではなく、
環境衛生や生き物の管理とも深く関係しているということでした。
ネズミや害虫の対策は、不快害虫の駆除というイメージを持たれることも多いですが、
衛生管理という視点で見ると、こうした感染症対策にもつながる部分があるのかもしれません。
