毎年被害が絶えない危険害虫「スズメバチ」について、
今回はご紹介していきたいと思います。
ハチの活動時期は一般的に春から秋とされており、
特に活発に活動する7月~9月が最も危険とされています。
この背景としては温かくなってくる4月頃から女王バチが巣を作り、
夏の7月頃に巣が大きくなるにつれて働きバチが増えてくるという点が
挙げられます。
そんなスズメバチですが、世界では何と67種類確認されており、
日本ではその内16種類の生息が確認されています。
種類によって危険度が異なり、中には害虫というレッテルをはがして
益虫として存在するスズメバチも存在します。
そんなスズメバチですが、危険度が最も高い3種類をご紹介致します。
◆オオスズメバチ 危険度MAX💀💀💀💀💀
東アジアに広く分布しており、女王バチの体長は4~5.5㎝、
働きバチは2.7~4㎝という巨体で、頭部はオレンジ色。胸部は
黒色、腹部は黄色と黒色の模様があるのが特徴です。
毒性が非常に強く、獰猛な性格をしておりスズメバチの中でも
最も危険な存在として知られています。
オオスズメバチは一般的に雑木林などに巣を作り、クヌギやコナラの樹液孔
等を餌場としていましたが、近年都市開発によって住処が奪われ、
減少傾向にあります。それでも毎年被害が報告されており油断は禁物です。
◆キイロスズメバチ 危険度💀💀💀💀
女王バチの体長は2.5~2.8㎝、働きバチの体長が1.8~2.4㎝程。
日本に生息するスズメバチの中では比較的小さく、最も多くみられる
種類です。
頭部は黄色で胸部は黒色、肩部は黄色で腹部が濃褐色の模様があり、
全体的に黄褐色の毛で覆われているのが特徴です。
攻撃性もオオスズメバチに引けを取らないレベルですが、
元来オオスズメバチと同じく雑木林などに巣を作り、生活空間を共にしていたため
悲惨なことにオオスズメバチに捕食されてしまうケースがありました。
ただ、都市開発によって減少傾向のオオスズメバチとは裏腹にキイロスズメバチは
都市の環境に順応して年々増加傾向にあります。
◆モンスズメバチ 危険度💀💀💀💀
体長は2~3㎝程でオオスズメバチとミツバチのちょうど
中間ぐらいの大きさになります。
腹部の上部から胸部にかけて黒色が占める割合が大きくなっている
のが特徴です。
攻撃性が強いのはオオスズメバチやキイロスズメバチと共通してますが、
毒性は一歩劣ります。
しかしモンスズメバチの危険性が高いのは別に理由があります。
一般的にスズメバチは昼間に活動し、夜間は働きバチ含め巣に戻り
行動は控えるとされているのに対し、モンスズメバチは日が落ちても
関係なく活動します。つまり昼夜問わず襲われる危険性があるのです。
また巣を屋根裏や樹洞などの閉鎖的で気が付きにくい場所につくることが
多いのも厄介な点の一つです。
さて、ここで一旦話が少しそれますが、オオスズメバチと奮戦するミツバチ
についてご紹介させていただきたいと思います。
捕食者であるオオスズメバチは前述通り、同じハチをも時として餌とします。
そして時には体格が半分のミツバチも標的となることがあるのです。
ミツバチの巣を襲い捕食した挙句、巣から蜂蜜を奪っていきます。
これは人間の世界で例えるなら、「強盗殺人」です。
しかしミツバチもやられっ放しではありません。
この卑劣な行為に対して怒髪衝天のミツバチ、特にニホンミツバチは
数の力を武器に「熱殺蜂球」という集団防衛戦術でオオスズメバチを
蒸し殺して巣と群れを防衛します。
このことからスズメバチを「捕食者」、ミツバチを「被食者」として
対比されることがあります。
話を戻しまして、危険・恐怖といった概念が植え付けられているスズメバチ
ですが、発生場所によっては大切な益虫としての役割を果たしてくれます。
◆農作物に付着した虫を捕食
汗水流して大事に育てた農作物が虫に食べられてしまう。
農家の人にとっては悩みの種である被害ですが、スズメバチは
こうした農作物についた虫を幼虫のエサとする為、捕食してくれます。
この場合、農家の人たちにとってはスズメバチは益虫となるでしょう。
勿論刺される危険性が無い訳ではありません。
ですが大切に育ててきた農作物を被害から守ってもらえるという
恩恵があります。
◆受粉の役割を果たしてくれる
スズメバチはハチなので当然花の蜜も吸います。
蜜を吸う為に花から花へ移動する時、受粉を媒介する役割を
担ってくれます。自然の拡大に協力してくれている訳です。
こういった益虫の面もあるスズメバチですが、やはり危険生物という
面の方が勝ってしまうのが現状です。
そんなスズメバチですが、いきなり人間目掛けて襲ってくることは
滅多に無く危険信号(警告)を出して、それでも巣に近づくなら敵と
見なして襲うといったケースが一般的です。
ではどんな信号を出すのでしょうか。
危険信号① 強靭な顎でカチカチと音を出して臨戦態勢に。
これはよく聞けば聞こえますが、ウォークマン等で耳を塞いでいた場合は
まず聞こえないでしょう。危ないので外では耳を開放しておいたほうが
良いかもしれません。
危険信号② 音を無視して巣に近づいた者に体当たり。
これは最終警告となります。
当然ハチが迫れば身構えて引くのが自然かと思われますが、
この状況の時は既に目の前にいる対象者を敵と見なしているので
体当たりと攻撃(噛む・刺す・毒液噴射)を同時に繰り出す場合が
あります。
故に危険信号①の時点で気づいて引くのが賢明です。
とはいえ家の庭や玄関先に無許可で巣を作り、住んでいる住人が
近づけば危険信号を出す。こっち(人間)の方が危険信号を出して
迎撃してやりたいと思うのが当然の気持ちかと思われます。
しかしハチの巣を撃沈するのは危険が伴います。
特にスズメバチの巣は中に大量のハチが潜んでおり、大きさによっては
1000匹をこえる場合もあり大変危険です。
ハチの巣を見かけた場合はそっと離れ、専門業者に駆除を依頼するのが
最も安全です。
弊社は害虫駆除を専門としており、ハチの巣駆除も行っております。
もしお困りのことがございましたら、お気軽にご相談下さいませ。