こんにちは、今回は都市部でも見かけるハクビシンの起源ついて書いていきます。
ハクビシンとは?
ハクビシン(白鼻芯)は、ジャコウネコ科に属する哺乳類で、主に東南アジアから中国を原産としています。その特徴的な外見、特に鼻から額にかけての白い線が名前の由来です。雑食性で適応力が高く、果物や昆虫、小動物などを食べるため、農村地帯から都市部まで幅広い環境で暮らすことができます。
- 体長: 約 50〜70 cm
- 尾の長さ: 約 40〜65 cm※ 尾が長いため、全長は 90〜135 cm に達します。
- 体重: 約3~5kg
- 体色: 茶色や灰色の毛、鼻筋には白い線
日本では外来種として知られ、屋根裏に住みつくことで住宅被害を引き起こしたり、ゴミ漁りをしたりすることで都市部でも問題視されています。1970年代以降に全国で分布が広がり、現在は都市部でもその姿が確認されています。
日本にどうやってやってきたの?
日本にいるハクビシンは外来種であり、元々は日本には生息していませんでした。では、どのようにして日本にやってきたのでしょうか?
有力な導入説
- 毛皮用として輸入 ハクビシンの毛皮は20世紀初頭、高級素材として珍重されていました。そのため、毛皮のために輸入され、一部が逃げ出したか意図的に放たれた可能性があります。
- 観賞用やペットとして ハクビシンの独特な模様と外見が注目され、観賞用やペットとして持ち込まれたものが野生化したという説もあります。
- 食用目的 東南アジアや中国では食材として利用されることがあり、そのために持ち込まれた可能性も考えられます。
DNA解析で明らかになった日本のハクビシンのルーツ
最近のDNA解析によって、日本のハクビシンは台湾由来である可能性が高いことが明らかになりました。ミトコンドリアDNAを調査した結果、日本のハクビシンは台湾に生息する個体群と遺伝的に非常に近いことが分かったのです。
台湾由来説が支持される理由
- 日本統治時代の影響 日本が台湾を統治していた1895年から1945年の間に、ハクビシンが輸入された可能性があります。当時、台湾と日本の間で多くの物資や生き物が行き来していました。
- 環境適応 台湾の気候は日本の温暖な地域と似ているため、台湾由来のハクビシンは日本でも適応しやすかったと考えられます。
これにより、日本のハクビシンの多くが台湾から持ち込まれたものであるという説が最も有力です。
在来種説の検討
一方で、ハクビシンは外来種ではなく、日本に古くから存在していた在来種ではないかとする説もあります。この説には以下のような根拠や視点があります。
在来種説の背景
- 古い文献や民間伝承 一部地域では、江戸時代以前からハクビシンに似た動物が記録されているとされます。特に日本の中部地方や山間部での目撃談が古くから存在します。
- 化石記録の不足 ハクビシンが日本の在来種であるとする場合、化石や古代の動物遺骸としての記録が少ないことが問題視されていますが、一部では調査不足が理由である可能性も指摘されています。
- 遺伝的多様性の検討 日本国内のハクビシンのDNA解析では、台湾由来と考えられる遺伝的特徴が強い一方で、地域によっては独自の多様性を示す個体も報告されています。これが在来種の可能性を示唆するものとして注目されています。
在来種説がもたらす新たな視点
在来種である場合、日本の生態系における役割やその歴史的背景が再評価される可能性があります。また、外来種としての管理や駆除方針にも影響を与えるかもしれません。
ハクビシンにまつわる面白い話
夜行性だけどお昼も活動?
ハクビシンは主に夜行性ですが、特に都市部ではお昼に活動している姿が目撃されることもあります。これは、人間活動のリズムに適応している可能性があると考えられています。もしかすると、静かな昼間の方が安心して動けるのかもしれません。
好きな食べ物は甘い果物
ハクビシンは甘い果物が大好きで、ゴミ袋に捨てられた果物の皮や残りもよく狙われます。このため、ゴミ出しの管理が重要な対策となっています。
独特な体臭?
ジャコウネコ科の動物らしく、ハクビシンには独特な体臭があります。匂いの元となる分泌物を持ち、これを縄張りのマーキングやコミュニケーションに使っているとされています。この匂いが苦手な人も多い一方で、動物としての魅力に感じる研究者もいるとか。
ハクビシンは、日本では外来種として扱われ、その起源は台湾である可能性が高いことがDNA解析から示されています。しかし、一部では在来種である可能性も議論されています。
都市部に進出したハクビシンは、その適応力の高さから人間社会にも溶け込んでいますが、一方でゴミ漁りや住宅被害といった課題も抱えています。
お住いの自治体で、無料で箱わなの設置をしていることがありますので、ハクビシンにお悩みの方は一度相談されてみるといいでしょう。